大好きを仕事にする鉄道本舗の石川です!

機関車の誇り!区名札の世界

鉄道部品

区名札とは、機関車が車体につける機関区や運転区を表した小さなプレートです。蒸気機関車では機種名を掲げたナンバープレートの下にあり、電気機関車の場合は側面の運転窓の下にあります。

地味な存在の区名札ですが、実はとても大きな魅力を持っています。今回は、そんな区名札の魅力について見ていきましょう!

区名札は機関車のゼッケン

区名札は、その機関車がどこに属しているかを示す札のことです。通常、その機関車が所属する区の漢字一字からとります(二字のこともあります)。例えば、高崎車両センター所属は「高」、高知運転所の所属は「知」の区名札、青函運転所の所属は「青函」という区名札を掲げます。機関車は必ずどこかの区に所属していますから、現役の機関車には必ず区名札が付いています。

逆に言うと、区名札が無いということは、その機関車は廃車待ちということになります。なんだか寂しいですが、機関車にとって区名札はそれほど大切な情報を表しているのです。

区名札はどんな材質でできている?

区名札は、蒸気機関車の時代から取り付けられていました。かつては砲金(銅と錫の合金)製で凹凸のある重厚な造りで、後に電気機関車やディーゼル機関車の時代になると、鉄板にホーロー加工したものや、鉄板の区名札が作られました。近年ではプラスチック製が主流のようです。

ちなみにホーローは漢字で琺瑯と書きます。ホーローとは鉄やアルミにガラス質の釉薬を高温で吹き付けたものをいい、かつては駅に掲示する駅名標もホーロー製でした。ホーローはとても古い技法で、なんとエジプトのツタンカーメン王のマスクにもホーロー加工がされているということです。

なお天皇陛下や皇后陛下が利用される御召し列車のEF5861の区名札には、機関区の区名札の他に特別に「御召」という札が掲げられていますが、文字の色は金色です。ここまでくると工芸品のようですね。

書体は所属する区によって個性があり、手法自体も型を作って吹き付けたもの、筆でペンキを塗ったもの、文字に凹凸のあるもの、様々です。現在の区名札は印刷なので画一的ですが、古い区名札は見ていてとても味わい深いものです。独特のフォントに魅了される方もたくさんおられます。古い鉄道文字に興味がある方は、ぜひ調べてみて下さいね!

機関区ってなに?

ところで、そもそも機関区とは何でしょうか?機関区とは、蒸気機関車の頃に出来た施設です。蒸気機関車は、燃料や水を補給しなければ長距離を走れませんでしたから、活躍していた当時は、約100kmおきに専用の補給施設である機関区が設置されていました。客車や貨車の車両基地は分けられており、それぞれ客車区、貨車区と呼ばれていました。

時代が変わり、電気機関車やディーゼル機関車の時代になっても、国鉄では車両基地のことを「区」と呼び習わしていましたが、これが分かりにくいということで、JRに分割民営化された時に車両センターという呼び名に統一されました。事業者によっても呼び方が変わります。例えば、ぬれ煎餅で有名な銚子電鉄の場合は車庫と呼びます。

ちなみに、ヨーロッパでは日本と違ってメーカー側に保守業務の責任があるため、日本のような鉄道事業者の車両基地はありません。日本の鉄道が現在のように安全に運行されているのは、鉄道事業者の日々の整備の賜物と言えるでしょう。

区名札ファンの楽しみ方

では、実際のファンは、どのように区名札を楽しんでいるのでしょうか?

区名札は牽引する機関車につけるものですから、現代において区名札をつけているのは、電気機関車かディーゼル機関車、もしくは現役のSLのみということになります。機関車のファンは、同じ型式でも塗装や区名札の違いを事細かに知っていて、お目当ての車両を撮影するために、遠方まで足を運びます。

区名札の情報から、鉄道事業者の内部事情を想像する事も出来ます。例えば秩父鉄道のSLパレオエクスプレスは「高」の区名札なので、秩父鉄道なのにJRの高崎車両センターに委託されているのだ、と推測できます。

ここまで来るには各事業者の車両センターを把握する必要がありますが、マニアの方はこの機関車のこの塗装ならどこそこの機関区、ということまで知っているので驚きです。

オークションや鉄道イベントなどで放出される区名札を蒐集しているファンもいます。プラスチック製の中古放出品で5千円程度、ホーロー製の古いものが、程度によりますが2万円〜3万円前後で取引されています。蒸気機関車の砲金製のものになると10万円近い高値で取引されているものがあります。

本物に手が届かないという場合でも、レプリカなら大きなものでも2千円前後で購入する事ができます。シールやステッカー、キーホルダーならさらにリーズナブルに楽しめますね!

鉄道模型に区名札を入れてみよう

区名札のシールには、150分の1スケールのものもあります。150分の1といえば、そうNゲージ用の区名札です。小さいので貼り付けるのが困難ですが、それだけに達成感はひとしおです。もしあなたが機関車のNゲージを所有していたら、区名札を貼り付けることに挑戦してみてはいかがでしょうか?碓氷峠モデルのEF63に、今は無き横川機関区の「横」の区名札が入っていたら、とても胸が熱くなりますね!

まとめ

いかがでしたか?列車本体から見たらとても小さい区名札ですが、とても大切な情報であることが分かりました。区名札を勉強することで、鉄道のことをさらに詳しく知る事ができます。

あなたも、ぜひ区名札に注目してみて下さいね!

出張買取も宅配買取も「鉄道本舗」にお任せください!

鉄道本舗では、鉄道グッズ専門店ならではの高価買取で、「丁寧な査定」「親切なサービス」をモットーに、お客様に満足していただけるように買取サービスの対応をさせていただきます。

社長の石川自らが広告塔となり、自身の趣味である鉄道好きが高じて始めた事業であるため、社長の鉄道への愛情が満載の企業です。

また、「これって売れる?」と現地で相談しながらの買取ができるため、お客様との間に安心感と信頼関係が芽生えるのも弊社の魅力の一つ。多くのお客様に定評をいただいております。

<鉄道本舗の特徴>

  • 全国どこへでも出張買取に対応
  • 鉄道模型、部品、資料の高価買取
  • 遺品整理、残留品にも対応
  • 鉄道愛溢れるスタッフ

鉄道本舗では、買取時に鉄道トークを交えつつ楽しく「売るもの・残すもの」が決められます。お客様が大切にしてきたものだからこそ、一緒に慎重に考えていきましょう。

そして、大切な鉄道グッズを真心を込めて親切丁寧に高価買取させていただきます。どんなお問い合わせでも、ぜひお気軽にご相談ください!