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超マニア!ダッチングマシンの世界

鉄道部品

あなたはダッチングマシンという機械を知っていますか?ダッチングマシンとは、鉄道の硬券に日付を印字する機械のことです。ダッチングマシンに硬券を差し込み、左から右にスライドすると、日付が印字されるという便利な機械です。硬券が使われていた時代には、全国の駅に置かれていました。

 交通系ICカードが一般的な現代では、軟券の切符もあまり使う機会が無いと思いますが、紙の切符の中でもさらに珍しいのが硬券です。その硬券に印字するのがダッチングマシンですから、よほどの鉄道マニア以外にはあまり知られていない機械といえるでしょう。製造を終えて20年以上を経ていることもあり、メンテナンスも大変です。

しかし、その希少さゆえダッチングマシンを蒐集し、愛好することが密かなブームになっています。今回は、そんなダッチングマシンの魅力に迫ってみましょう!

日本で愛されてきたダッチングマシン 

そもそもダッチングマシンとは何語なのでしょうか?英語ではDatingと書きます。これがなまってダッチングマシンと言われるようになったということですから、ローマ字読みをしたのかもしれませんね。本来はデイティングと読みます。

次に、使われ方を見てみましょう。昔は駅の窓口に発駅から着駅までの行程があらかじめ印刷された硬券をストックしてありました。窓口の駅員さんは、販売の際にはこの硬券をラックから取り出し、ダッチングマシンで日付を印字して乗客に渡しました。そして乗客は改札で駅員さんに切符を渡し、入鋏してもらい改札を通過していました。

現在はICカードやスマホを使えば一瞬で改札を通過できますが、昔はこのように大変手間がかかる作業だったのです。鉄道が開通したばかりの頃は手書きで日付を記入していたので、さらに手間がかかっていたことでしょう。そんな駅員さんの負担を減らしてくれたのが、ダッチングマシンです。

ダッチングマシンなら、硬券を手に持ったまま、左から右にスライドさせるだけで日付を印字できます。一日に大量の切符をさばかなければならない駅員さんにとっては、とても有り難い機械だったことでしょう。昭和50年代まで、国鉄や私鉄を問わずほとんどの駅に常備されていました。

菅沼タイプライターと天虎工業

長い期間に渡って愛用されてきたダッチングマシンですが、現存するダッチングマシンのメーカーは主に2種類あります。菅沼タイプライターと天虎工業です。ダッチングマシンが導入された明治期には、硬券を押し込む方式のものも存在したようですが、菅沼タイプライターがスライド式のダッチングマシンの生産を始めて以降は菅沼製が市場を独占しました。

その菅沼タイプライターが昭和40年代に製造をやめてしまったので、天虎工業株式会社がノウハウを継承し、ダッチマシンを製造しました。国鉄からの要請があったと言われています。しかし、その天虎工業も1993(平成5)年に製造を停止してしまいます。

1987(昭和62)年に国鉄がJRに分割民営化され、自動改札が導入されましたから、手間がかかる硬券は使われなくなってきたのです。軟券と間違えて、自動改札機に硬券を通してしまう乗客が多数発生したことも、大都市周辺で一気に硬券が廃止されていく要因と言われています。

現在は銚子市の関東交通印刷株式会社がライセンスを継続し、数字ホイルの交換用ギアや専用インク、保管用の箱やシールなどを販売しています。

マニアが愛するダッチングマシン

新しいダッチングマシン本体は製造されていないので、愛好家は中古市場に出回るものを購入するしかありません。ダッチングマシンは現在、中古のもので数万円、新品未使用品のものが10万円前後で取引されています。

元号の10桁にあたる数字ホイルは一番摩耗しやすいため、もともと昭和時代の5、6のみとか平成1、2のみしか数字ホイルに入っていない製品がほとんどですが、マニアの方は交換用の数字ホイルを手に入れたり、樹脂で活字を手作りしたりして印刷を楽しんでおられるそうです。すごい情熱ですね!

ちなみに菅沼タイプライター製のダッチマシンは、わずかに数字が斜めになっていますが、天虎工業製の方は活字がより揃って見やすいフォントになっています。ダッチングマシンを見かけた時には、メーカーにも注目してみましょう。

台湾のダッチングマシン 

そんな愛される日本のダッチングマシンですが、ある国で長く愛用されていました。それは台湾です。台湾は日本と同じく元号を採用しているため、近年まで日本のダッチングマシンを使っていました。ただ台湾の元号は2022年が民国111年にあたるように3桁に突入していますから、独自に2桁部分を3桁表示に改造して使っていました。

台湾では硬券で乗車券を発売してくれる駅が残っているので、わざわざ購入のために訪れる人もいるようです。日本にも、ダッチングマシンを体験できる鉄道イベントや、くりでんミュージアムのように常設で体験できる施設がありますから、マメに情報をチェックしておきましょう。

記念切符以外にも、通常の乗車で硬券やダッチングマシンに対応してくれる小湊鉄道のような例もあるので、興味がある方は近隣の地方鉄道の状況を調べてみてくださいね。

貴重な鉄道文化遺産ダッチングマシン

そんな貴重なダッチングマシンですが、実はスライド方式を採用しているのは日本と台湾のみということをご存知でしたか?他の国では押し込み式のダッチングマシンが主流だそうです。現存するダッチングマシンは、先人が開発した日本独自の鉄道文化遺産といえるのです。

硬券を発行している鉄道でも、ダッチングマシンからスタンプへの押印に切り替わる例もあります。マナーに気をつけて、消えつつある貴重な鉄道文化を楽しみましょう!

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