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鉄道懐中時計

鉄道懐中時計というと、過去のもののように思われるかもしれませんが、実は今も現役で使われている時計です。電車の運転台をのぞいてみれば、すぐに見つかるはず。

今回は鉄道懐中時計の歴史、蒐集の魅力などについて解説していきます。鉄道懐中時計の使われ方や特徴などについてもお伝えしますから、鉄道懐中時計に興味のある方は、ぜひご一読ください。

鉄道懐中時計の使われ方や特徴

まず、鉄道懐中時計の特徴や使われ方について説明します。

鉄道懐中時計の使われ方

鉄道懐中時計とは、現在では主に運転士が使っている時計です。運転台に懐中時計の置き台があり、そこに鉄道懐中時計を置いて、時刻を確認します。

なぜ腕時計ではなく懐中時計を今でも使うのかというと、腕時計の場合は時刻を確認する際に、視線を落とす必要があるからです。

懐中時計を置いていれば、視線を落とすことなく計器とともに時刻の確認ができることから、今でも懐中時計が使われているのです。

かつては、車掌や駅員も懐中時計でしたが、車掌や駅員の場合は逆に懐中時計のほうが使いにくいため、現在では腕時計を使っています。

鉄道懐中時計の特徴

鉄道懐中時計は実用本位で、非常に堅牢な作りが特徴です。現在使われている鉄道懐中時計の特徴をいくつか挙げてみましょう。

  • 優れた耐磁性
  • 電池寿命10年
  • クォーツ式で月の誤差は15秒以内
  • 強度と透明度が高いアクリルガラス
  • 動作温度は-10℃から60℃
  • 読みやすいアラビア数字の文字盤
  • 針と文字盤の距離が近く読み取りやすい
  • 蓋はなし

耐磁性が必要なのは、電車内は計器などから磁気が発生する可能性があり、耐磁性がない時計の場合、止まったり、早く進んだりすることがあるからです。

電波時計ではなく、今でもクォーツ式を使っている理由は、電波時計は誤受信などで誤作動を起こす可能性があることや、磁気的に密閉が困難で、耐磁構造にできないことなどがあります。

確かに電波時計を使っていると、たまにとんでもない時間を指していることがありますよね。正確な時刻が必要な鉄道の世界で、このようなことはあってはならないため、人の手で制御可能なクォーツ式が好まれているのです。

鉄道懐中時計の歴史

日本で鉄道が開業した1872年(明治5年)当時は、機関士など鉄道員に時計の携行義務はありませんでした。開業当初は路線も短く、また当時の日本人には、分単位の細かい時間の感覚はなかったことから、問題なく運行できたのです。

しかし、日本各地に路線が延びていくにつれて、運行の遅延が問題になるように。そこで1893年(明治26年)に「時計貸与規定」がもうけられ、駅長や機関士、車掌に時計の携行が義務づけられるようになりました。

ちょうど同時期の1891年、アメリカの鉄道で、時計が4分遅れていたために列車同士が正面衝突を起こすという事故が発生。この事故をきっかけに、アメリカでは次のような厳しい基準が鉄道用の時計に設けられました。

  • 誤差は週に30秒以内
  • 白い文字盤に黒いアラビア数字を入れ、太い針を用いる
  • 竜頭は12時の位置
  • 秒単位で時刻調整が可能
  • 蓋なし

誤差以外の点を見てみると、現在の鉄道懐中時計との共通点がたくさんあることに気付くのではないでしょうか。このときに鉄道懐中時計の原型ができたともいえます。

1897年(明治30年)には、米ウォルサム製の鉄道懐中時計が日本でも使われるようになりました。

1929年(昭和4年)には初の国産鉄道懐中時計として、精工舎(現セイコー)の「19型 SEIKOSHA」が誕生。この時計は「19セイコー」という通称で親しまれ、改良を続けて現在も使われています。

鉄道懐中時計の魅力

子どものころ、電車に乗ると運転台の後ろにかぶりついて、運転の様子を見つめて運転士への憧れを抱いた経験がある方も多いのではないでしょうか。そうした経験のなかで、鉄道懐中時計に気付いた方もいるのではないかと思います。

列車の運転と鉄道懐中時計は切っても切り離せないものです。憧れの運転士が使っている鉄道懐中時計を自分が手にすることができるのは、一つの大きな喜びでしょう。

鉄道懐中時計には、プロが業務用として使う道具としての合理性や機能美が感じられるのも魅力です。何時何分何秒を示しているか一目で分かる針や文字盤のデザインは、一切の無駄が感じられません。

無骨かもしれませんが、研ぎ澄まされたシンプルさには美しさが感じられます。

鉄道懐中時計はプロが使っているものと同じものを購入できます。セイコーの「SVBR003」という機種で、性能は鉄道懐中時計と同様です。

しかしなかには、鉄道員が実際に使っていたものに魅力を感じる方もいるでしょう。市販品と鉄道で実際に使われていた鉄道懐中時計の違いの一つとして、裏蓋に「年」「管理番号」「鉄道管理局名」の刻印が打ってある点が挙げられます。

鉄道懐中時計は貸与品のため、管理番号でしっかり管理されていました。こういった管理番号などの刻印の違いを蒐集するのも、また一つの楽しみ方ではないでしょうか。

実際に使われていた鉄道懐中時計は、払い下げ品が鉄道ファン向けのショップで販売されているほか、ネットオークションなどにも出品されています。値段は数千円〜といったところです。

まとめ

鉄道懐中時計は、日本の正確な鉄道運行を支えている非常に重要な道具です。一般社会では電波式の腕時計が主流ですが、鉄道で使用する特殊性を考えると、クォーツ式の鉄道懐中時計の役割はまだまだ続いていくでしょう。

鉄道懐中時計には独特の機能美が感じられます。新品であれば業務用と同じものが手に入るのも特徴です。

一方で、払い下げ品など実際に使われていた鉄道懐中時計を蒐集する楽しみもあります。みなさんそれぞれの楽しみ方を見つけ出してみてください。

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