歴史
リマ(LIMA)は、1946年にイタリア北部のヴィチェンツァで創業された鉄道模型メーカーです。創業時の社名は「リマ・イタリア金属加工株式会社」といい、元は鉄道車両の部品を製造する企業でした。
1948年から、部品製造の技術を応用してミニカーや玩具などを作り始めます。
1954年に、繊維メーカーに勤めていたオットリーノ・ビザッツァという人物がリマを買収し、HOゲージの模型製造を行うようになりました。当時は、すでにイタリアの高級鉄道模型ブランドとしてメルクリンやリバロッシが業界を席巻していたため、リマは誰にでも購入しやすい廉価版の製品で差別化を図ります。この目論見は成功して、イタリアだけでなくフランスや西ドイツなどでも売上が上がるようになりました。
1960年代もリマの業績が上がり続け、売上がピークとなったのは、その後の1978年のことです。この頃は、米国や南アフリカなどヨーロッパ以外の国でもリマの模型を販売していました。
ですが、1980年代に入ると、イタリアに日本発のテレビゲーム、アニメ番組などが急速に流入して鉄道模型人気は下火になります。
鉄道模型は、大衆的な遊びではなくなりコレクターや一部の愛好家のための趣味となりました。そのため、リマがラインナップとしてきた廉価版の模型は需要を失いました。リマはこれを挽回するために、細密成型の高級モデルをリリースしますが、メルクリンやリバロッシなどの追随は難しく、1992年にリバロッシに買収されることとなります。
リバロッシは、その後もドイツのアーノルトなどを買収して事業を拡大させましたが、最終的にはイギリスの鉄道模型メーカーであるホーンビィに買収され、リマもホーンビィ傘下となりました。現在は、イタリア向けHOゲージを製造しています。
特徴
リマは、HOゲージ、OOゲージ、Nゲージ、Oゲージの模型を製造していました。HOゲージは、イタリアをはじめとしたヨーロッパ諸国だけでなく、米国や南アフリカ、オーストラリアなど各国の主だった車両を模型化して、世界中で販売しています。
ホーンビィ傘下となった現在でも、入門者向けの廉価製品としてHOゲージの製造・販売を行なっています。
OOゲージは、イギリスやアイルランド向けに製造されていた規格で、1990年以降、ホーンビィに買収されるまでは高価な価格帯の細密模型もリリースしていました。
Nゲージは、ヨーロッパ向けだけでなく日本向けに製造・販売されていたモデルもあるので、リマのファンにはもっとも親しみやすいモデルといえるかもしれません。なお、ホーンビィの傘下となってからは、リマのNゲージはアーノルト名義で販売されています。
Oゲージの製造は少数で、主にお膝元であるイタリア、そしてヨーロッパに限って販売されていました。1980年代まで発売されていましたが、いかにも玩具といった構造を特徴としており、以降は作られなくなっています。
規格によっては高価な細密模型をリリースしていることもありますが、リマといえば大衆に手の届きやすい安価な製品が特徴です。車両はプラスチック製のことが多く、その「おもちゃらしさ」は独特の郷愁を生み出します。
1980年代以降はフルスケールの客車を作るようになりましたが、1980年代以前は、コストの観点からか、実際の縮尺よりも長さを短くしたショーティの客車を多く手がけていました。
ファンを惹きつける理由
前述したように、リマは程よいチープ感が魅力でクラシカルなおもちゃっぽさがファンから愛されています。
廉価版の売上が落ちてきた1980年代以降は、同時代の他社メーカーに見られるような細密化した模型を手がけるようになりますが、鉄道模型の愛好家にとってはリマといえばプラスチック製の模型というイメージが強いのではないでしょうか。電源装置も、廉価製品を主に手がけていた時代には乾電池で動かせる装置や外部電源を使って遊べる装置が販売されていました。
特にNゲージは日本向けに製造され輸出されたモデルもあったため、一定以上の親しみを覚えるという人は多いはずです。日本向けには、国鉄の電車、新幹線、貨車などが製造され、TVコマーシャルも流れていました。
鉄道模型といえば高級なモデルほど優れている、もしくは趣味として遊ぶためにはお金がかかる、というイメージがありますが、リマは鉄道模型を手に取った時の原初的な喜びと素朴なワクワク感を思い出させてくれるメーカーといえるでしょう。
とはいえ、最初期は破損した鉄道車両の修理や部品づくりを主要な業務としていただけあって、廉価でも質の良さは担保されています。技術力に裏打ちされていた模型なのですね。
さまざまな規格で欧米のみならず、アフリカなどへも市場を広げ、世界中の子どもたちや鉄道模型ファンの元へ玩具としての車両を届けたリマ。創業当時、高級路線を進んでいたライバル会社に対抗するために廉価版製品を「売り」としましたが、このポリシーが一貫していたからこそ、ホーンビィに買収されてからもメーカー名が残り愛され続けているのでしょう。
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