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改札鋏

改札鋏は、かつて有人改札で広く使われていましたが、自動改札機が普及した現在ではほとんど見られなくなっており、知らない方も多いのではないでしょうか。しかし、今ではなかなか体験できない改札鋏だからこそ、さまざまな魅力があるのも事実です。

この記事では改札鋏の歴史や特徴、魅力などについてお伝えします。今でも改札鋏を使っている鉄道会社や、実際に改札鋏を購入する方法などについてもお伝えしますから、改札鋏に興味のある方はぜひご一読ください。

改札鋏の使われ方や特徴

改札鋏とは

まず、改札鋏について説明します。改札鋏は改札の際に切符に切れ込みを入れることで、切符の使用開始を証明するものです。

現在の切符の裏には磁気情報が書き込まれており、自動改札機を通すことで乗車駅や時刻が記録されます。自動改札が普及する前はその代わりとして、改札鋏で切符に切れ込みを入れることで、改札を通過した印としていました。

改札鋏は「かいさつばさみ」「かいさつきょう」と読みます。「改札パンチ」と呼ばれることもあります。ペンチのような形をしていますが、切符の一部を切り取る特殊なハサミです。

切れ込みを入れる行為を入鋏(にゅうきょう)、切込みは鋏痕(きょうこん)、鋏痕の形を痕形(あとかた)といいます。痕形にはさまざまなものがあり、正確な数は不明ですが、全国で140種類程度あったようです。

改札鋏の特徴

改札鋏には、大きくわけて一般型と東鉄型があります。一般型は持ち手の先端がニッパーのように離れているものです。

これに対して東鉄型は、持ち手の先端部分が当たるようになっていて、改札鋏をチョキチョキ動かしていると、先端部分が当たった反動で速く切れるという特徴があります。

反動を活かすために、乗客がいないときも、常にチョキチョキとリズムをとるように動かしていたのが特徴的です。ただし、慣れていないと持ち手の先端で手の皮をはさんでしまうこともあったそう。

ちなみに東鉄型の「東鉄」とは国鉄の東京鉄道管理局のことで、人が多い首都圏ならではの改札鋏といえるでしょう。また、改札鋏の痕形は140種類程度と説明しましたが、この東鉄型の痕形は46種類でした。

一般型や東鉄型といった大きな分類以外にも、バネをつけて反動をつけるタイプのものや、切りかすを入れるためのケース付きのものなど、改札鋏にはさまざまなタイプのものがあります。

改札鋏の歴史

改札鋏の歴史は古く、1872年(明治5年)の新橋・横浜間における日本の鉄道開業とともに誕生しました。その後長い間、改札鋏は日本の鉄道で使われ続けてきましたが、転機が訪れたのは1990年代に入ってからです。

国鉄から民営化されたJRが、首都圏や関西圏といった大都市圏を中心に自動改札へ移行しました。自動改札機自体は、それ以前からあったものですが、普及が進んだのはこのころのことです。

改札鋏を使った有人改札には「改札係が一人前になるまで時間がかかり、改札係の人員確保が必要」「改札鋏による痕形はカッターなどで不正が可能」といった欠点がありました。

とりわけ不正乗車には頭を悩ませていたようで、午前と午後で改札鋏を変えるなどといったことなどが行なわれていましたが、抜本的な解決にはならなかったようです。

一方自動改札では、人員は大幅に減りますし、熟練した技術も必要ありません。入場した日時などを磁気データとして記録するため、不正乗車対策も容易です。こうしたことが、改札鋏が廃れていった理由です。

自動改札が導入されたあとも、しばらくは改札鋏が使われていました。しかし入鋏した切符は自動改札機に詰まりやすいといったことなどから、徐々に駅名や日付をスタンプで押すチケッター(入鋏印)に置き換わっていきました。

自動改札機が普及したことと、改札鋏もチケッターに置き換わったことで、現在でも日常的に改札鋏を使っている事業者はほとんどありません。しかし予備用などで駅には改札鋏が残されていることもあるようです。例えば、遅延証明書に入鋏するといった用途などに使われています。

改札鋏の魅力

改札鋏の時代を知らない方は、改札鋏の魅力を知らないかもしれません。一方で改札鋏を知っている世代にとっては、あのチョキチョキという音やリズム感は、懐かしい感情を思い起こさせてくれるものではないでしょうか。

また、東鉄型の改札鋏に見られるように、改札鋏を使いこなすまでには長年の経験が必要です。ベテランの改札係が改札をこなしていくさまはまさに職人芸で、見ていて惚れ惚れする一種の美しさが感じられます。

ほかにも、改札鋏の痕形に注目するのも面白いでしょう。痕形は約140種類があります。

基本的に四角形や三角形、円形を組み合わせたものが多いですが、なかには非常に複雑な形状をしているものもあります。こうしたさまざまな痕形や改札鋏を集めていくのも改札鋏の魅力といえるでしょう。

改札鋏は購入できる?

改札鋏自体は新品であれば、1000円から3000円程度でアマゾンなどでも購入可能です。ただし、新品のものは実際に鉄道会社で使われたものではないため、鉄道部品としての価値はあまりありません。

実際に鉄道会社で使われていた中古の改札鋏は、鉄道部品の専門店やネットオークションなどで購入可能です。数千円程度で購入できますが、ものによっては1万円を超えるものもあります。

今でも改札鋏を使っているところは?

今でも日常的に改札鋏を使っているところは少なくなりましたが、いくつかの事業者では現役で使われています。

例えば、千葉県にある小湊鐵道はその一つで、硬券の販売や改札鋏での改札を行なっている貴重な事業者です。愛媛県にある伊予鉄道でも現役で改札鋏が使われています。

JRで改札鋏が使われていることは、ほぼ皆無ですが、JR九州の姪浜駅などごく一部の駅で使われているケースもあるようです。

いずれもレアケースであることは間違いなく、廃止される可能性もあるため、実際に改札鋏を体験してみたい方や痕形を収集したい方は早めに訪問してみたほうがよいでしょう。

まとめ

自動改札が普及するまでは、全国各地で見られた改札鋏も、今ではごくわずかな鉄道会社でしか使われなくなってしまいました。改札鋏にはレトロ感が感じられますし、普段見ることができなくなった分、改札鋏の価値が上がってきたとみることもできます。

改札鋏を体験しに旅に出るのも魅力的ですし、改札鋏自体を収集するのもまた魅力の一つでしょう。改札鋏に興味をもたれた方は、自分ならではの楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。

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