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蒸気機関車ナンバープレートの歴史

蒸気機関車の全面、煙室戸に掲げられたナンバープレート。

愛称で「でごいち」と呼ばれるD51なども、ナンバリングには法則がありそうです。

蒸気機関車の歴史を踏まえてナンバープレートについて語っていきます。

蒸気機関車の歴史

大正初期に、日本の最初の本格的量産型の国産蒸気機関車が9600形と8620形が生産されました。

第一次世界大戦後、輸送量増大に伴い性能向上がもとめられるようになり、そのころ誕生したのが以下の2タイプです。

・大型旅客機関車の18900形(のちのC51形)

・貨物機関車の9900形(のちのD50形)

 この2タイプは大量生産され、1948年までに、様々な用途に対応する蒸気機関車が生産されます。

1974年(昭和49年)11月本州で廃止

1975年(昭和50年)3月九州で廃止

・1975年12月14日「さようならSL」のヘッドマークを掲げたC57135による室蘭本線室蘭―岩見沢の225列車の運行が定期旅客列車の最後となる

・1975年12月24日D51241による夕張線(現岩勝線)石炭列車の運行を最後に本線上から蒸気機関車が消滅します

・1976年3月2日追分機関区の9600形による入替仕業を最後に保存目的の車両を覗いて国鉄から蒸気機関車は姿を消しました。

・民営鉄道では、保存観光目的以外の蒸気機関車は消滅し、専用鉄道も1982年(昭和57年)室蘭市の鉄原コークスが最後となり使用は終了しました。

・1970代前半全国でSLブームが起こり、大井川鉄道が西濃鉄道から2100形を譲り受け千頭―川根両国間をC11227 かわね路号が動態保存運転を始めました。

 その後C5644動態保存運転を現在まで実施しています。

・1987年、文化遺産保護活動を行う日本ナショナルトラストにより、C12164も動態復元されました。

・1983年(昭和58年)東京ディズニーランドのアトラクションである「ウエスタンリバー鉄道」として国産の最新蒸気感謝が製造されました。

協三工業による1Bテンダー機関車で、燃料は石炭ではなく、煙が少ない重油専念となっています。

・1976年9月4日「京阪100年号」で起こった事故をきっかけに国鉄は、地方地区での実施を目指したが、機関車復活運転計画はC571の「SLやまぐち号」が唯一となりました。

・1987年国鉄分割民営化以降各地で蒸気機関車が復活運転されています。

ナンバープレートの形式

蒸気機関車の歴史に伴い、機関車はその機能や製造番号によって、ナンバリングされていきます。

国鉄の蒸気機関車のナンバープレートの形式称号(形式記号・形式番号)の法則

C622とナンバープレートが掲げられた蒸気機関車のナンバーの意味を説明すると以下の通りになります。

C・・・形式記号

62・・・形式番号

2・・・車両番号

H3:形式記号とは

形式記号は、動輪の軸数に対して振られている記号です。

蒸気機関車は、蒸気でピストンを動かし、その上下運動を主連棒を介して回転運動をする主動輪に伝えることで前進運動を行います。スピードや牽引力など、目的に合わせて、主動輪に連結動輪を組み合わせていました。組み合わせた動輪の軸数によって形式記号が決まっていました。

B・・・2

C・・・3

D・・・4

E・・・5

一般的に良く知られているC型とD型の特徴は以下のようになります。

C型・・・C型の機関車の動輪は大きな直径を持つために動輪外周の速度が速くなるため、スピードを要求される旅客用列車に適した機関車でした。

D型・・・レールへの粘着力が増すように動輪を増やしたD型は、直径の小さい動輪のために速度はC型に劣りますが、けん引力が大きいために貨物用列車の運転に適した機関車でした。

形式番号とは

機関車にはタンク式とテンダー式の2つのタイプがあります。

・タンク式

中央のボイラー左右に水のタンク、運転席広報に燃料の石炭と水を積載する機関車

終点に到着し、折り返し運転をする際、水と石炭を積むテンダー部がないために後方の視界が良好で後進運転がしやすい特徴があります。

しかし燃料の積載量が少ないために走行できる距離が短いために距離の短いローカル線での運転にむいた機関車でした。

タンク機関車の形式番号が10~49の番号が採番されています。

・テンダー式

機関車とは別に燃料と水を搭載した炭水車(テンダー)を連結する機関車です。

終点に到着したときに、回転台を必要とする一方、多量の水や石炭を積載できるので、長距離向けの機関車です。

テンダー機関車の形式番号には50~99が採番されました。

車両番号とは?

機関車の製造番号を示します。

製造所ごとに番号が指定されている場合もあるために竣工順に振られているとは限りません。

ナンバープレートの種類

ナンバープレートの法則は前述した通りで、その法則にのっとってナンバリングされています。

それ以外にも以下のような種類がみられます。

・形式名が書かれていないもの

・ベースの色(黒・赤・緑)が異なるもの

ナンバープレートのベースの色の違いについて

地域による色分けの例

・昭和26年ごろナンバープレートの色分け

 蒸気機関車の機関区は幹線で100㎞を目安に配置されており、他地区で給水などをして折り返していました。

自区所属がそれ以外かを区別するために、ナンバーに色分けがされていました。

その例が以下のものです。

・名古屋鉄道管理局

名古屋区・・・赤、美濃太田駅・・・赤、稲沢区・・・・黒、高山区・・・黒、

大垣区・・・青、多治見区・・・緑、米原区・・・緑、中津川区・・・青

・大阪鉄道管理局

修繕程度でプレートの色分けしていました。

・その他にも

ボイラーの状態が優秀なものは赤

ボイラーの状態が普通のものは黒

装飾やイベントによって地色を塗り替えるなども行われていました。

まとめ

いかかでしたでしょうか?

蒸気機関車のナンバープレートを見ると機関車の機能や古さ、運転地域なども読み取れることが分かりました。

オークションや鉄道関連を扱うショップなどでもたまに放出されますが、比較的高価なものが多いですよね。

観光用に地方では、現存する蒸気機関車もまだ多く走っていますので、本物を見に行くのも良いと思います。

現存する機関車を見学しようと思った場合、日本において動態保存運転が行われているのは、C11形やそれ以下の小型のものに限られています。

産業遺産に対する重要度の認識が低いと言われる日本では、機関車の維持管理に政府の支援がほとんどなく、民間のボランティアの活動も盛んではありません。

現在保全されている機関車は、地方自治体(埼玉県)が所有しているC58363と非営利団体日本ナショナルトラストが所有しているC12164以外は、蒸気機関車を保有している企業が自力で維持費を請け負っています。

資金難で運用終了となったり、実質放置されたり、保存後解体処分された車体も多くあります。

動いている機関車の車体についているナンバープレートも守っていきたいと思いませんか?

理解のある国などでは政府の支援や、民間のボランティア、乗客による高額の寄付なども行われています。

機関車動態保存に一役買うのも鉄道ファンならではの行動かもしれません。

ちなみにナンバープレートは付いていませんが、加悦SL広場展示された国指定重要文化財「123号蒸気機関車」の保存・公開のためのふるさと納税などのサイトもあります。

ご参考までに。

旧加悦鉄道車両の保存・活用へ ふるさと納税で寄附募集を開始|ふるさと納税・寄付|行政運営・施策|町政|与謝野町 (yosano.lg.jp)

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