ロクハン

歴史

ロクハンは、栃木県栃木市にある、Zゲージの鉄道模型製造、販売を手がけるブランドです。ロクハンを立ち上げたのは株式会社トイテックで、前身を市川エンジニアリングサービスといいます。

1991年設立にしたのが市川エンジニアリングサービスで、翌年に株式会社トイテックと改称および株式会社への移行を行ないました。

株式会社トイテックはまた、2002年に東京事務所を開設し、2004年に東京事務所をデジタルテクノロジーセンターと改めました。

株式会社トイテックは、2012年にZゲージを扱う鉄道模型ブランドとしてロクハンを立ち上げました。

Zゲージは、Zスケールともいい、1/220、軌間6.5mmという規格の鉄道模型です。非常に小さい模型であるがゆえに、繊細さが求められるサイズといえるでしょう。ロクハンという社名の由来は、Zゲージの軌間である6.5mm（六半）から取られているそうです。

当初は、国内初となる1/200規格の完成品模型を扱う予定でしたが、ブランド立ち上げ後約1ヶ月で1/220スケールを企画、設計するように方針転換しました。自らを「技術屋集団」と称して、企画と設計を自社で行い、製造のみを中国で行っています。

客車や機関車、電車だけでなく、日本風ストラクチャーや電源装置、コンテナ、新幹線、蒸気機関車など商品展開は多岐にわたっています。

なお、ブランドの元である株式会社トイテックは、玩具や雑貨の規格、設計、試作を行なっている会社で、令和2年時点での売上高は10億円以上にのぼります。中国での工場の出荷検査、生産や技術指導も行い、近年ではCGを活用したデザインや映像の制作も手がけています。

特徴

ロクハンは、細部にまでこだわったZゲージの製品作りを行い「眺めて、集めて、そして走りも楽しむ（ロクハンサイトの『会長からのメッセージ』より引用）」をモットーとしています。

鉄道模型は、模型を組み立てる楽しみ、収集して飾る楽しみ、実際に模型を走行させる楽しみと3つの楽しみ方がある趣味といわれています。

組み立てやすさに特化した構造、コレクションとして楽しみやすい商品ラインナップ、走らせやすい製品づくり、いずれか一つの楽しみ方にフォーカスしたメーカーが多い中で、3つの楽しみ方を自由に堪能できるロクハンはやや珍しい存在といえるかもしれません。

ロクハンのサイトには、たくさんのレイアウトプランが掲載されているので、鉄道模型初心者も参考にしやすいのではないでしょうか。また、フリマアプリ「メルカリ」に公式ショップを置いて、通販を行なっているのも特徴といえます。

さらに、2017年には東京の浅草にショールームをオープンさせ、自社製品だけでなく、天賞堂やプラッツ、アドバンス、メルクリン、AZLなどの他社製品も取り扱うようになりました。ショールームでは、イベント限定品や栃木にある本社ショールームでしか購入できなかったモデルを購入できるようになっており、ファンからも注目されています。

Zゲージの精巧さだけでなく、こうした積極的な事業展開もロクハンの魅力であり特徴といえるでしょう。

ファンを惹きつける理由

ロクハンは、Zゲージ取り扱いメーカーとしては後発ブランドになりますが、精力的な商品展開で鉄道模型ファンに愛されています。

商品展開は、車両、レール（ポイントレール）、Zショーティシリーズ、制御装置、ストラクチャー、コンテナなどのアクセサリーなどで、車両、レール、コントローラーが同梱されたスターターセットも販売しています。

問屋や販売店を通した販売だけでなく、フリマアプリを活用して通販を行なっていて、Twitter、FacebookといったSNSを駆使して、商品の情報を広くPRしています。ロクハン製品の取り扱い店とレンタルレイアウト設置店は、全国を網羅した店舗リストを公開しているので、商品を実際に見てから購入したいという人も近くのお店を探しやすいのではないでしょうか。

さらに、ロクハンは東京と栃木本社にショールームを構えていて、超大型のレイアウトを無料でレンタルして遊べる環境を提供しています。ショールームでは、不定期ながら生産エラー品などの配布も行われており、頻繁に足を運びたくなるような取り組みが嬉しいですね。まさに、コレクションしても走行させても楽しめる、をモットーとした製品づくりの真骨頂といえます。

走る姿といえば、ホームページやTwitter、Facebookといった媒体で、写真や動画を多く使うことで、商品の詳細を知ってもらおうという姿勢も支持されています。Zゲージは1/220という小さなモデルですが、実際に走行している姿を見ると、精巧さや愛らしさ、Zゲージにしかないコンパクトな魅力に気づけることでしょう。Zゲージの小さい車両にしか出せない特性を活かした設計が、多くの鉄道模型ファンをとりこにしています。フリマアプリだけでなく、簡単にオンラインショップが開設できるBASEなどのサービスをうまく活用して、多くの人にロクハンの模型を届けようとする姿勢は、鉄道模型に長く愛情を注いできたファンにとっても魅力的に見えるはずです。

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