青島文化教材社

歴史

株式会社青島文化教材社は、静岡県に本社を置くエンターテイメントメーカーです。創業は1924年で設立は1961年、鉄道模型のほかプラスチックモデルの玩具製造、販売、教材や幼児向け雑貨の販売と、OEM事業（他社ブランドの製品づくり）を行なっています。2021年に設立60周年を迎えました。

青島文化教材社の前身は青嶋飛行機研究所といい、模型飛行機の製造販売をはじめに行なっていました。1945年に現在の名称に社名を改めてから、学校教材の模型やオールプラスチックモデルの模型、合体ロボットなどの玩具の製造に着手しています。

2007年にはフィギュアブランドとして「Funny Knights」を立ち上げ、小惑星探査機はやぶさや、艦これシリーズをフォギュア化。本社内にショールームを新設するなど、事業を拡大させていきます。

鉄道模型でよく知られているモデルは、1971年に発売された超精密電気機関車キット、1970年代後半に発売されたNゲージ「特急シリーズ」、2015年に発売された「OJトレインNo01ディーゼル機関車DD51北斗七星」です。

その後、2016年にはキャラクターモデルブランドとして新しく「ACKS」を立ち上げて、人気作品「鬼滅の刃」キャラクターをフィギュア化するなどますます活躍の幅を広げています。

昭和36年頃から約10年間、モノクロのロゴも用いていましたが、昭和45年以降はブルー、昭和50年以降は赤色ベースに黄色で「アオシマ」という文字を入れたものなど、ロゴも変遷をたどっています。なお、平成元年以降は、「アオシマ」をアルファベットの「AOSHOMA」表記にしたブルーのロゴマークを使用しています。

特徴

青島文化教材社が1971年に発売した1/50スケールの電気機関車キットは、超精密モデルとして話題になり、モデルフロンティア賞を受賞しました。

2011年に復刻販売されるなど、今なお高い評価を得ています。

ほかにも1970年代にはNゲージ規格で「特急シリーズ」が販売されていますが、これは電池とモーターが車両に内蔵されているという特徴がありました。

青島文化教材社は、もともと飛行機模型を製造、販売するメーカーでしたが、早くから学校教材も手掛けており「子どもが楽しめる模型づくり」が常に念頭に置かれてきました。

企業理念は、「『新しいコト』に挑み〜中略〜『満足』を呼び起こすことの出来るNo.1エンターテイメントメーカー」ですが、この理念通りユーザーが楽しむことを一番に考えた製品を続けてきたのが、青島文化教材社の特徴といえるでしょう。

一方で、金型技術が他メーカーと比較するとあまり高くなく、考証不足などによってクオリティはあまり高くないとする声もあります。しかしながら、超精密模型だけを展開する他社メーカーとは一線を画すユニークな試みが支持されることもあり、他社に真似できない製品開発は広く模型ファンに認められています。

実際に、青島文化教材社は1971年発売の電気機関車キット以外にも、「アポロ11号」を筆頭としたアポロシリーズ、サイクリングシリーズと銘打たれた1/8スケール自転車プラモデルでもモデルフロンティア賞を受賞しています。

開拓者精神にあふれた社風と商品展開が、青島文化教材社の最大にして最高の特徴といえるでしょう。これからも、意欲的な模型づくりに取り組んでいくはずです。

ファンを惹きつける理由

青島文化教材社は、古くから学校教材としての模型作りに造詣が深く低年齢でも楽しめるプラモデル作りにも注力してきた歴史があります。鉄腕アトムや怪傑ライオン丸といった往年の人気キャラクター、特撮作品のキャラクターなどの模型を製造、販売してきた背景もあり、近年でも鬼滅の刃など国民的人気となった作品のフィギュア化を行なっています。

自由な発想と遊べる余地を残した模型の数々は、精緻なクオリティを求めるリアリティ追求派には物足りないことがあるでしょう。実際、Nゲージと銘打っていてもかなりサイズが大きいモデルがあります。まるで本物の景色のように走行シーンを再現したい人にとっては、物足りないところがあるのは否めません。

とはいえ、販売したモデルが賞を受賞したり、鉄道模型としては比較的珍しいプラモデル商品を販売したりと、青島文化教材社は青島文化教材社にしかできない製品を意欲的に開拓、販売しています。こうしたフロンティア精神が模型愛好家を惹きつけ、同時に青島文化教材社の鉄道模型のユニーク性に惹かれていくのではないでしょうか。

また、青島文化教材社は模型を普及させるためのイベントも積極的に行なっています。モデラーズの合同展示会、ホビーショーの出展にとどまらず、子ども向けのプラモデル教室、体験会などを開催し、積極的に新しい模型ファンを増やす試みを行なっています。こうした啓蒙活動も、鉄道模型の裾野を広げたいと考えるファンにとっては嬉しいところではないでしょうか。

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