IGRいわて銀河鉄道の歴史と特徴

IGRいわて銀河鉄道の歴史

IGRいわて銀河鉄道は東北新幹線(盛岡駅～八戸駅)の延伸にともない、JR東日本の経営を離れた岩手県内の東北本線(盛岡駅～目時駅)を引き継ぐため、2001年に設立され2002年に開業した第三セクターの鉄道会社です。

社名は公募で「いわて銀河鉄道」に決定しましたが、登記の段階で同じ法人名がすでに登記されていることが分かったため、やむを得ず社名の頭にIGRを付けたという経緯があります。

現在運行している路線は設立当初から変わらず、盛岡駅と目時駅を結ぶいわて銀河鉄道線のみです。

いわて銀河鉄道線内で運転を終える列車以外にも、同じく東北新幹線の延伸にともなって青森県内の東北本線の経営を引き継いだ青い森鉄道と、盛岡駅～八戸駅間で相互直通運転を行っています。

また、JR東日本の花輪線や東北本線とも直通運転を行っており、好摩駅を起点とする花輪線はすべて盛岡駅まで乗り入れています。

花輪線については好摩駅で乗務員の引継ぎは行われず、JR東日本の運転士と車掌がいわて銀河鉄道線内を担当していますが、これは電車のみを運行するいわて銀河鉄道の乗務員は、気動車を運転できる免許を持たないためです。

現在保有している車両はJR東日本701系と同じスペックのIGR7000系7本のみで、4編成は開業時にJR東日本から譲り受け、3編成は自社で新造しています。

導入にあたってはすべての車両を、ワンマン運転仕様に変更しました。

JR東日本や青い森鉄道と直通運転を行っているため、両社所有の車両(701系、キハ110系、青い森701系)もいわて銀河鉄道線内で見ることができます。

いわて銀河鉄道線内では特急や快速などの優等列車は運転しておらず、すべて各駅停車の列車で地域輸送に徹しています。

一部、金田一温泉駅止まりの列車があるものの、隣接する青い森鉄道の八戸駅までの一体運行を基本としています。

一般的には運行会社が変わる境界駅で乗務員が交代しますが、青い森鉄道との境界である目時駅以降もいわて銀河鉄道の乗務員が八戸駅まで乗務しています。

ただし、運賃は別々に必要となるため、盛岡駅から八戸駅まで乗車する場合3,110円の料金がかかります。

一方、東北新幹線の盛岡駅～八戸駅の料金は、運賃と特急料金で3,560円と450円の違いしかありません。

所要時間はいわて銀河鉄道の2時間に対して、東北新幹線は30分と所要時間は大きく異なります。

青春18きっぷが使える期間でも、いわて銀河鉄道では青春18きっぷを利用できないため、料金をあまり抑えられません。

そこで、盛岡駅と八戸駅の往復には、2枚つづりで4,300円で購入できる「もりはちツインきっぷ」がおすすめです。

JR東日本とJR北海道の範囲で自由に列車に乗りたいのであれば、「北海道&東日本パス」を利用するのがよいです。

JR東日本、JR北海道、青い森鉄道、いわて銀河鉄道、北越急行の5社の普通列車が、7日間乗り放題で利用できます。

旅の目的を考えて、移動手段や購入する切符を決めるとよいでしょう。

さて、いわて銀河鉄道が保有するIGR7000系は、JR東日本701系と同じスペックですが、JR東日本701系は全席ロングシートを基本としています。

ただし、ロングシートは旅行客にはあまり評判はよくないこともあり、クロスシートに改造した車両や新造時からクロスシートを導入している車両もあります。

IGR7000系はJRから譲り受けた701系は全席ロングシートですが、いわて銀河鉄道が新造した車両はセミクロスシートの仕様を採用しており、長距離を乗車する乗客に優しい車両と言えます。

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