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世界に誇れる日本の鉄道模型【KATOのNゲージ】

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まず始めにNゲージを販売する各社の戦略とは?

あなたは、Nゲージを持っていますか?

Nゲージのメーカーをいくつご存知でしょうか。ここでは、Nゲージの製造会社について見ていきましょう。

日本のNゲージメーカーで最も有名なのは、TOMIXとKATOです。

次に、マイクロエースとグリーンマックスが続きます。実質的には、TOMIX、KATO、マイクロエースの3社が、Nゲージ業界の3強といえます。

この3つのメーカーには、何か個性があるのでしょうか?

売れ筋をつくるTOMIX、隙間を狙うマイクロエース

まず始めに、TOMIXの戦略を見てみましょう。

TOMIXは、トミーテックという会社のブランドです。

子どもの頃からの鉄道ファンという方の場合、プラレールを持っていた方も多いと思いますが、トミーテックは、そのプラレールのメーカーであるタカラトミーの子会社です。

そのため、TOMIXは、玩具メーカーである親会社タカラトミーの販路を生かし、鉄道模型の専門店以外の、一般のおもちゃ屋さんにも商品を置くことが出来ます。

TOMIXは、その強みを最大限に生かすため、人気があるメジャーな車種を中心に、Nゲージを開発しています。

子どもに人気の新幹線のラインナップが、3社のうちでは最も充実していることからも、その戦略がうかがえます。

競合相手がいない車種の生産は、全体のわずか3割にとどまっており、価格は3社のうちでは最もリーズナブルです。

Nゲージの線路と車両をセットで売る、入門者用のスターターキットが充実していることからも、TOMIXは最初にNゲージを購買する層を狙っている、といえるでしょう。

マイクロエースは、その反対に競合製品が少ない、あるいは全く無い車両を中心に、製品を開発しています。

マイクロエースの製品のうち、約5 割は他社で製品化されていないモデルです。価格は3社の中では最も高めに設定されています。

値段は高くてもどうしてもこの車両が欲しい、というマニアックなファンのニーズに応えることが、マイクロエースの戦略といえるのです。

それでは、KATOはどうでしょうか?KATOは競合相手がたくさんある車種にも、競合相手が少ない車種にも、バランス良く製品を投入しています。KATOの戦略とは、一体何でしょうか?

編成美にこだわるKATOのNゲージ

実は、KATOのこだわりは、製品作りそのものにあるのです。

TOMIXやマイクロエースが、その生産拠点の一部を中国などの海外に移したのとは対照的に、設計から生産•修理に到るまで、全て国内で一貫して対応できるような体制を整えています。

実際にKATOの製品は故障しにくく、レイアウトでの走行時にも他社とは違う安定感があります。

これは、KATOがNゲージを設計する際にある工夫をしているからです。それは、デフォルメをすることです。

Nゲージは、実際の車両をそのまま縮小している訳ではないのです。

不思議なもので、そのまま縮小して走らせると、人は違和感を覚えてしまうそうです。これは、実際の車両と模型では、動力の原理が異なるためだそうです。

実際に走らせた時に、ジオラマ上で美しく見えるよう、模型としての編成美を追求しているのがKATOといえます。

鉄道模型専門のKATOこと関水金属

そんなKATOのブランド名のNゲージを生産している会社は、実は関水金属といいます。

なぜKATO?と思いますよね。実は、社長さんの名字が加藤さんなのです。

創業者の加藤裕治さんは大の鉄道ファンで、鉄道博物館のコンクールに模型を出品し、見事入賞されました。それが、創業のきっかけだそうです。

1957年に起業した加藤さんは、1960年代からNゲージの開発に着手し、日本初のNゲージ車両を販売しました。

なぜ関水金属という名前なのかというと、もともと本社が文京区の関口水道町にあったからです。

現在は新宿区西落合に本社があります。都営大江戸線の落合南長崎から徒歩7分の本社前には、赤い電車が飾ってあります。

ロビーには、NゲージやHOゲージのジオラマがあり、販売コーナーや修理コーナーもあるので、東京を訪れた際には、ぜひ訪問したいですね!

鉄道模型の聖地とも呼ばれているそうですよ。

本物の蒸気機関車が走る?!関水金属の第3工場

そんなKATOこと関水金属は、現在国内二カ所に生産拠点を置いて、純国産のNゲージを生産していますが、2023年には第3工場が開業しました。

埼玉県鶴ヶ島市に建設中のKATOの第3工場は、敷地面積が3万2000平方メートルもあります。

https://www.kato-oo9.com/sekisuiml

2024年には、工場の周囲に線路を敷き、関水本線として本物の蒸気機関車を運行させるそうです。(野辺山のSLランドにあったもの)なんだかワクワクしますね。

2021年では鉄道模型の市場が150億円規模(関水金属調べ)。となっておりNゲージは国内ではまだまだマイナーな趣味ですが今回のKATOの投資によって、より大きな鉄道模型市場が形成されていくと思います。

海外のNゲージファンに認められたKATO

実は、KATOの製品は、いま海外の鉄道模型ファンに大人気なのです!

特にスイスの山岳鉄道である氷河特急が人気で、ヨーロッパの鉄道ファンの間で話題になっています。

KATOのパンフレットにも載っているので、見た事がある人もいるかもしれません。

日本では鉄道模型ファンの約8割がNゲージのユーザーですが、海外での主流は、実はHOゲージという大型の鉄道模型で、Nゲージのユーザーは約2割しかいません。

このような状況にも関わらず、氷河特急の販売数は、国内と海外でほぼ同数といいますから、いかにその人気が高いかが分かります。

いったい何が、受け入れられた理由でしょうか?

海外の常識を変えたKATOのNゲージ

それを説明するには、まずNゲージの規格について知って頂かなくてはなりません。Nゲージは別名9ゲージともいい、線路幅9mmの規格の鉄道模型です。

日本では通常、150分の1で製作します。

しかし、海外の場合、 Nゲージといえば160分の1です。

これは、実物の線路の規格が関係しています。ヨーロッパの線路幅は、日本では新幹線や一部の在来線でしか採用されていない、1435mmの標準軌。いっぽう、日本の在来線のほとんどは1067mmの狭軌です。

Nゲージの線路幅に合わせた縮尺にすると、日本の鉄道車両のほとんどは120分の1となり、欧米のNゲージモデルとの共存が難しくなります。

このため、日本ではNゲージを150分の1で開発してきました(ちなみに新幹線は標準軌なので160分の1)。

KATOは、スイスの氷河特急のシリーズを作るにあたり、縮尺150分の1で製作しました。

このことは、海外のファンにとっては驚きでした。なぜなら、海外では実際の縮尺に忠実にモデリングすることが基本だったからです。

もし氷河特急を150分の1で作るなら、線路幅のほうを変えるべき、というのがヨーロッパの常識であり、実際それまでも、その都度レールを敷き直して遊ぶのが当たり前だったそうです。

しかし、Nゲージ規格だと、わざわざ線路を交換する必要がありません。この手軽さが評判となり、150分の1の氷河特急は、ヨーロッパの鉄道模型ファンに徐々に受け入れられていきました。

KATOがこだわってきたデフォルメの技術、そして実際に走らせる楽しさが、海外にも浸透していったといえるのです。

世界に羽ばたくKATOのNゲージ

KATOはその後も海外の鉄道車両の開発に力を入れています。海外のファン向けのホームページも、充実してきました。工場の増設により、生産体制も補強されるでしょう。

そんなKATOの発展に、今後も注目していきましょう!

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