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千葉県の鉄道

千葉県は、その大部分が半島で占められているという地形的な特徴があります。

さらにその延長線上に他の目的地もなく、いわば袋小路のような構造になっています。

こうした特徴は現在に至るまで千葉県の交通網を色濃く支配しており、基本的に単独で独立したネットワークを形成しているという全国でも特異な県の一つとなっています。

千葉県の交通施設を支配するもう一つの要因としては、大部分が丘陵地系によって占められており利根川以外の大きな河川が存在しないという点が挙げられます。

そのため千葉県では長大な橋梁やトンネルといった大規模な構造物を必要とすることがなく、比較的容易に路線網を拡大することが可能でした。

こうした千葉県固有の特徴は、交通施設の近代化遺産という観点から見ると大きなハンディキャップかもしれません。

千葉県は交通路として他県との交流も少なく、千葉市を除いて大きな都市や分岐点を発展させることはできませんでした。

そのため人の往来や物流のための施設を発展させる下地に乏しかったといえます。

そして千葉県における鉄道の歴史は、1894年に開業した総武鉄道の市川〜佐倉間の開業から始まりました。

これは新橋〜横浜間の開業から遅れること22年にあたり、関東地方ではもっとも遅い鉄道の開業でした。

海に囲まれており船の交通も盛んな千葉県で鉄道の収益が上がるのか行政側から疑問視されており、なかなか鉄道敷設の許可が降りなかったのです。

そのあと千葉県では急ピッチで鉄道建設が行われ、明治末期には佐原・銚子・大原など県北および外房線の一部にも鉄道網が築かれました。

続いて大正に入ると房総半島を一周する鉄道の建設が本格的に開始。

1929年には現在の内房線と外房線が結ばれました。
また民営鉄道も国有鉄道を補完する形で線路網を伸ばし、昭和初期にはほぼ現在の鉄道網が完成しています。

千葉県を代表する鉄道の一つとして、ここではいすみ鉄道を取り上げたいと思います。

いすみ鉄道は千葉県夷隅郡大多喜町に本社を置く、第三セクター方式の鉄道事業者です。

ちなみにいすみ鉄道本社は大多喜町駅の駅舎の一部が本社となっています。

大原駅から上総中野駅まで全14駅、全長26.8キロ、所要時間は大体50分ほどというローカル鉄道です。

いすみ鉄道は平日でもいつでもキハに乗ることができる観光鉄道でもあります。

特にキハ52形が稼働しているのは全国でもいすみ鉄道のみとなっています。

観光客を増やす増収策としてキハ28形車内のテーブル席でイタリア料理などを提供するレストラン列車を実施したり、2009年からはムーミンのキャラクターたちをペイントしたムーミン列車の運行もスタートしています。

特に春は全線26.8キロのうち約15キロで菜の花が咲きます。

黄色い絨毯の上を進んでいく電車の姿はまさに絶景です。

さらに桜の開花時期には菜の花と桜のコントラストを楽しむこともできます。

鉄オタのみならず、女性や子供からも愛されている鉄道です。

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