歴史
アーノルト(Arnold)は、ドイツでNゲージを扱っていた鉄道模型メーカーです。日本では、アーノルドやアルノルトと表記されることもあります。
ドイツの南部にあるニュルンベルクで1906年に創業した当初は、「金属玩具工場」という名称で、ドールハウスや船舶模型といった玩具を作っていましたが、第二次世界大戦後は鉄道模型業界にも参入。鉄道だけでなく、自動車や飛行機などの動く玩具を製造し始めました。
1960年から「アーノルト ・ラピード200」、「トレブル・オー・レトリック」などを次々に発表し、1962年には1/160で「アーノルト・ラピード」をリリース。このモデルと縮尺は好評を博し、同業他社もアーノルトに倣って1/160スケールの鉄道模型を製作し始めます。1964年にこの規格(縮尺)をNゲージと呼称することが決まり、アーノルトはNゲージの基礎を築いた先駆者としてブランドの唯一性を確立しました。
1968年からは1990年代までは、米国の模型メーカーと提携してアメリカ鉄道模型市場でもその名が知られるようになりました。
1975年に、それまで併用していた「ラピード」というブランド名を完全に廃止し、「アーノルトN」に統一しました。
その後、アーノルト自体は1995年に倒産しますが、その2年後である1997年にイタリアの模型メーカーであるリマ・リバロッシグループがアーノルトを買収、イタリアの工場でアーノルトの模型が製造されるようになります。この時は、リマ・リバロッシグループ傘下でありながら、アーノルトのブランド名は存続し、Nゲージ製品の引き継ぎだけでなく、独自の製品開発も行われていました。
ですが、リマ・リバロッシグループは2003年に倒産。アーノルトは再びグループごとイギリスの模型ブランドであるホーンビィに買収されることになります。ホーンビィ傘下となってから、アーノルトの模型の金型や工場は中国の広東省に移されています。
特徴
アーノルトは、レール軌間9mm、縮尺1/148 – 1/160というNゲージ規格を成立させたメーカーとして認知されています。
実は、この規格で作られた最初の鉄道模型はアーノルトではなくイギリスのメーカー、ローンスターがリリースした電動模型システムといわれています。なので、正確にはアーノルトがNゲージを発明したわけではありませんが、こと日本ではアーノルトの方が知名度が高いため、第一人者として周知されています。
そんなアーノルトの最大の特徴にして功績といえるのは、「アーノルトカプラー」の開発です。
アーノルトカプラーは日本独自の名称で、ほかの国ではしばしば「ラピードカプラー」と呼ばれます。このカプラーは1963年に開発され、国際玩具見本市でNゲージの共通カプラーとして採用されました。
アーノルトカプラーの登場以前、各メーカーはカプラーをそれぞれ別の規格で製造し使用していました。ですが、連結器であるカプラーの互換性を高めるべきという意見が聞かれるようになり、Nゲージの統一規格が求められるようになったのです。
アーノルトはNゲージの先駆者として時代を牽引してきたメーカーなので、カプラーの採用も当然といえば当然といえるかもしれません。とはいえ、近年ではリアリティを追求するために、各メーカーが実車に似せたカプラーを独自製造する傾向にあるため、既存のすべてのNゲージがアーノルトカプラーを使用しているわけではありません。
もうひとつの特徴は、車両を主に射出成型によるプラスチックで製作していることです。日本の鉄道模型メーカーは、ボディや窓パーツを別々に製造して後からはめ込むのが一般的ですが、アーノルトは、射出成型のために窓以外を塗装して仕上げます。
また、アーノルトの線路は道床なしのタイプで、組み立て式線路そしてフレキシブル線路の2つが採用されています。
ファンを惹きつける理由
アーノルトがファンを惹きつける理由、それはNゲージの祖という伝統と敬意ではないでしょうか。
近年こそ、リマ・リバロッシグループからホーンビィへと買収され、イタリア、中国と製造工場を移したアーノルトですが、第二次世界大戦後に、敗戦のドイツから世界的なブランドへと飛躍を遂げた歴史があります。尤も、これはアーノルトに40年以上在籍し貢献し続けたマックス・エルンストという人物なしには成し遂げられなかったかもしれません。マックス・エルンストは、創業者の息子とともに世界大戦の空襲で失った工場を再建し、玩具の製造を再開させました。そこからNゲージ規格の確立、米国模型メーカーとの提携および市場調査・開発へと展開していきました。マックス・エルンストが退職した1976年当時、アーノルトはニュルンベルクに3つの工場を設立し、250人もの雇用を創出していたといわれています。
鉄道模型がヨーロッパで流行し、花開いていく時代を代表するブランド「アーノルト」。ファンは、その響きに鉄道模型の重厚な歴史とノスタルジーを感じるのではないでしょうか。
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