噴火に遭遇
島原鉄道(しまばらてつどう)は、九州の長崎県、島原半島北東部の有明海沿岸をはしる鉄道です。起点駅は諫早駅、終点駅は島原港駅となります。
1991年の雲仙普賢岳の噴火災害以降、沿線自治体の資本参加やその後の経営危機から地元バス事業者のグループ会社傘下に入るなどして営業を続けています。
噴火前は島原港駅以南の島原半島の南端の加津佐駅までの運行でした。地元の廃線阻止運動もあって営業をつづけていましたが、同区間は噴火前からの不採算路線でもあり、起点駅の諫早駅から島原港駅までは維持して、島原港駅以降から南の路線は廃止となりました。
噴火に遭遇しても全線廃止とすることなく、海べりの路線であることをいかしてスイーツ列車しまてつカフェトレインをはしらせるなどして、地元のにぎわいに一役買っています。
赤いパンツ!?
島原鉄道は非電化のため気動車の運行となり、保有している15両はすべて稼働しています。車両形式はキハ2500形とキハ2550形、改良(形式変更)がなされると車輛番号の末尾にAがつきます。
事故によって廃車となった2512号と現有車輛のなかでもデビューがもっとも遅い2553号以外はなんらかの改良がなされています。
現有車輛のなかでもっとも古いのは島鉄キハ2501A、1994年デビューです。新潟鐵工所製(現新潟トランシス)の車輛であり、同社の車輛ブランドNDCの軽快気動車です。
その昔、島原鉄道は旧国鉄の長崎本線の諫早駅に乗り入れていたこともあって国鉄キハ20形にあわせて製造した車輛や国鉄などから購入した車輛を運行させていました。
当時は島原外港駅(現島原港駅)からさらに南下して加津佐駅まで営業しており同車輛が運行していましたが、2008年4月より同路線の廃止にあわせてそれら車輛も廃車となりました。
キハ20形の車輛はそれまでの同鉄道の標準色クリーム色をベースして車輛全面に赤い三角形が描かれていました。三角形の頂点部分を下にしていたためその前面が赤いパンツを履いているようにみえたことから「赤パンツ」車輛として話題になりました。
2008年4月の廃車とともに同車輛の塗装も変更されましたが、沿線住民(鉄道ファン?)の記憶に強く残っていたのか赤パンツ車両ボクサーパンツ「赤パン2」として島原鉄道からグッズ販売にて復活しています。
日本一海に近い駅?大三東駅
島原鉄道は一部にラッピング車輛もありますが、ほぼ全車輛黄色の塗装となっており、その車輌が青い空と三方にひろがる有明海を横目にはしります。
汐の干満の差が大きい有明海は時間によっては汐がひいて干潟にもなり、他の鉄道路線ではなかなかない風景を目にできます。なお、有明海の干潮時と満潮時の潮位の差は日本一です。
起点駅の諫早駅から終点駅の島原港駅に向かうのであれば、進行方向の左に有明海が広がります。その途中、ところどころで目にする緑一面となる5月のたんぼも絶景です。
その諫早駅から17番目の駅である大三東駅(おおみさきえき)は、海べりの絶景駅として知られた駅です。
同駅の下り線のホームすぐ横は有明海です。さえぎるフェンスもなく、満潮となるとホームの駅名標が海に浮かんでいるようにもみえます。この風景をジオラマで忠実に再現するためにも現地に飛んで目で確認されてみてはいかがでしょうか。
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