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錦川鉄道 錦川清流線

錦川鉄道は、名前の通り岩国のシンボル、錦帯橋が架かる清流錦川の沿って峻嶮な中国山地に分け入る路線です。

国鉄の民営化後に第3セクター化された鉄道で、山口県内唯一第3セクターの鉄道、さらにJR以外の唯一の鉄道となっています。

路線概要

錦川鉄道錦川清流線は山陽本線の岩国駅から錦町まで32.7キロ、駅数13駅の路線です。

正確には、川西と清流新岩国の間にある森ヶ原信号場から錦川間の11駅になりますが、列車は全てJR岩徳線に乗り入れているため、西岩国、川西の二駅停車、13駅となります。

また、南桑と根笠の間に臨時駅清流みはらし駅があります。錦町までの全線、概ね錦川の右岸に沿って走ります。

歴史

1987年7月25日、錦川鉄道へ転換されました。転換前はJR西日本岩日線でした。

さらに1987年4月1日以前は国鉄岩日線でした。

国鉄分割民営化にともない、全国的に多くローカル線が第3セクター化されましたが、ほとんどは分割民営化以前か、1987年4月1日分割民営化と同時に転換されています。錦川鉄道は、4月1日に一度JR西日本が承継し、わずか3か月あまりで錦川鉄道に転換されています。

錦川鉄道錦川清流線の前身となる岩日線は、陰陽連絡を目的として、山陽本線岩国から山口線日原までの路線として建設されました。

1960年11月1日、森ヶ原信号場と河山の間が開通しました。開業当時、河山駅には日本鉱業の河山鉱山があり、硫化鉄鉱を搬出するため貨物営業も行われていましたが1974年、鉱山の閉山のため貨物輸送は廃止になります。

1963年10月1日河山と錦町の間が開業。現在の錦川清流線の全線が開業しました。

岩日線はさらに山口線との接続駅日原を目指して建設を進めます。1980年国鉄再建法の成立にともない、建設は凍結されてしまいました。

しかい、錦町から六日市までの路盤やトンネルはほぼ完成していましたがそのまま放置されてしまいました。

六日市から日原の区間は山深い区間で、ほとんど未着工でした。

開業した区間も第2次特定地方交通線に指定され存廃が取りざたされる事態になります。

当初は廃止、バス転換の方向へ流れる中、旧錦町で官民を挙げての存続運動がおこります。

1986年11月14日、第3セクター転換を決定。1987年4月1日運行を行う錦川鉄道株式会社を設立。

7月25日、転換により錦川鉄道錦川清流線となりました。

2018年6月28日から7月8日にかけ台風7号と梅雨前線による集合豪雨が西日本を中心に大きな被害を出しました。「平成30年7月豪雨」と命名され災害により川西・清流新岩国間で土砂流入という大きな被害を受け全線が不通になりました。

7月18日北河内と錦町の間を復旧、北河内と岩国の間を代行バスで繋ぎました。8月27日全線で運転再開、現在にいたります。

沿線

全列車、川西より岩徳線に乗り入れ岩国まで直通運転されています。岩徳線内の川西と西岩国にも全列車が停車します。

運転上起点となる岩国より沿線をたどります。岩国駅の端、0番線より列車は発車します。

岩国からしばらくの間、岩徳線を進みます。右へ大きくカーブ、山陽本線から離れていきます。

最初の駅は昭和4年に建設された駅舎が素晴らしい西岩国です。

ホームは単式1面、島式1面の2面ですが、島式ホームの片方の線路は撤去されています。長いホームにちょこんと止まります。

周辺は錦川に近い住宅街です。西岩国を出ると錦川を渡ります。

錦川清流線は終点、錦町の手前までこの錦川の西側を走ります。

錦川の鉄橋を渡るとすぐに川西駅です。西岩国と川西の駅はJR岩徳線の駅です。

この区間だけを利用するとJR線の運賃が適用されます。

川西を出るといよいよ分岐点です。

分岐点は森ヶ原信号場。周辺は林に囲まれた山の中の雰囲気。信号場といっても何もなく、ただ分岐のポイントが設置されているだけです。

錦川清流線の列車は分岐を右にカーブして進路を北へ向けて進みます。

錦川の支流御庄川に沿って進みます。御庄川は錦川と反対に列車の進路と同じ北側へ流れています。

山陽自動車道をくぐると新幹線が見えてきます。新幹線と交差する場所の手前に、かつて新幹線の保守基地への引き込み線への分岐がありましたが、現在は撤去されています。

新幹線の新岩国駅の東側には広大な保守基地があります。新幹線と交差する場所に清流新岩国駅が設けられています。

単式1面のホームで新幹線への乗換駅とはとても思えません。新幹線の高架線に沿って連絡通路が新岩国駅まで続いています。時刻表などでは徒歩連絡300メートル、7分と案内されています。

清流新岩国を出た列車は左へカーブしながら山と田畑の中、錦川へ近づいて行きます。

守内かさ神駅は山と錦川の間にあります。このあたりの錦川はほぼ西から東へ流れています。

トンネルをいくつか抜けると視界が広がります。辺りは一面の田園。国道2号線を高架でパスします。南河内駅を過ぎると錦川は大きく北へ向きを変えます。

錦川清流線も右へカーブして北へ向きます。行波と書いてゆかば駅を過ぎます。右側に錦川、左側は山。その山の下を川に沿って進んでいきます。

またいくつかトンネルを抜けると交換可能な北河内駅です。列車はさらに錦川とともに山間に切り込んでいきます。対岸には国道187号線が通っています。

少し開け場所に椋野駅があります。駅周辺には数軒の民家があるほかは山と川しかありません。対岸の国道へ橋が架かっています。

次の南桑駅も川沿いの山側に設置されています。錦川の山の間を進んでいきます。途中臨時駅の清流みはらし駅があります。

イベント列車しか止まらない駅です。長めのトンネルを抜けると根笠駅です。

根笠駅を出発すると左手に中国電力錦川第2発電所、右側には沈下橋が見えてきます。林の中、トンネルを抜け錦川のほとりをしばらく走ると河山駅です。

現在は単式ホーム1面1線の駅ですが、かつては日本鉱業河山鉱山で差出する硫化鉄鉱石を搬出していた関係で広い貨物ヤードがありました。

現在も広い構内には転轍機梃子など、その名残が残っています。

河山駅を出発すると再び長いトンネルへ入ります。柳瀬駅。周辺は小さな集落です。国道の走る対岸への橋が架かっています。

トンネルを抜け、錦川を渡る鉄橋を渡ると終点錦町駅です。単式ホームの終端駅ですが、構内には車庫が併設されているほか、駅舎には錦川鉄道の本社も入っています。

岩日北線の跡地

工事凍結前までに錦町駅より北側、六日市まで路盤とトンネルはほぼ完成していました。

途中にある雙津峡温泉は人気の温泉地です。そこで錦川鉄道は六日市まで開業を検討しましたが巨額の投資が必要となり採算にあわないと断念しました。

錦町駅の車庫の向こう側にトンネルの口を開いています。岩日北線のトンネルです。この路盤を利用して約6キロ先の雙津峡温泉までとことこトレインが運転されています。

とことこトレインは鉄道ではなく、遊園地の遊具と同じ扱いの観光用トロッコ遊覧車です。現在の車両は2代目で、2005年愛・地球博の会場内で活躍した電気自動車「グローバルトラム」です。

出発してすぐの全長1796メートルの広瀬トンネルは「きらら夢トンネル」と命名され、壁面に6色の光る石を使った幻想的なデザインが施されています。

6キロの距離を約40分かけて走り、錦川の支流、宇佐川の清流を存分に満喫できる乗り物になっています。

車両

現行の車両は2形式になります。

NT3000形は2007年から2008年にかけて新潟トランシスで4両製造された主力車両です。

先代NT2000形より前面貫通式、転換クロスシートの採用、トイレの設置などの変更が加えられています。

転換クロスシートは車両中央部の7脚のみなので、車窓を楽しむには錦川に沿った席に座りたいものです。転換クロスシート以外はロングシートになっています。

一両ずつカラーリングがことなり、3001は「清流のブルー」せせらぎ号、3002は「桜のピンク」ひだまり号、3003は「森林のグリーン」こもれび号、3004は「蛍の光のイエロー」きらめき号と、カラーリングで車両ナンバー分かります。

キハ40。もとJR東日本烏山線で使われていたキハ40 1009を2017年に購入したものです。

主にイベント列車用に充当されています。残念ながら2021年7月エンジントラブルにより運行できない状態なっており、運行再開の目途が立っていない状態です。

錦川鉄道では運行再開の目途が立ち次第、アナウンスするとのことです。今後の展開を見守りたいところです。

錦川鉄道は開業以来、ずっと赤字経営が続いています。

しかし沿線自治体である岩国市や沿線住民の鉄道への愛着が強く当面の廃止はないと思われます。

しかし経営改善を進めるべく、錦帯橋や岩国城の指定管理者を受託のほか、JR岩国駅東口の管理委託業務、岩国市錦町総合支所からのバス事業の委託事業、レンタサイクル、旅行業と多角化を進めており、鉄道経営の安定化を目指しています。

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