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JR九州

55万円の豪華寝台列車もあれば、1日の乗降者数が10人に満たない駅もあるJR九州。2022年秋ごろから暫定開業が予定されている新幹線もあり、観光にビジネスにと楽しみと利便性をおおいにもたらしてくれる鉄道会社です。

歴史

1987年4月に国鉄が分割民営化され、九州地方を中心とした鉄道を運営する九州旅客鉄道(JR九州)として発足しました。その後も赤字路線の廃止や3セク転換をはかり、民営化30年後に鉄道事業で初めて営業黒字となりました。

路線概要

JR九州は博多駅-鹿児島中央駅間を運行する九州新幹線、鹿児島本線などの幹線8本(10区間)、日南線などの地方交通線13本(13区間)が運行しています。

新幹線、幹線、地方交通線あわせて22路線あるうち14路線は線区別収支では営業赤字となっています(2020年度)。なお、鉄道ではありませんが、博多港-釜山港の航路もJR九州の事業です。

沿線

九州の一大都市福岡都市圏に乗り入れることもあり、オフィスビルが立ち並ぶ街中をはしる輸送密度の高い区間もありますが、たいがいは田んぼや畑あるいは山中を抜けるローカル線が多いのもJR九州の沿線の特徴です。南九州の宮崎県や鹿児島県内の路線は延々田舎風景がつづきます。

ビジネス街の博多駅、工業都市の小倉駅のある北部九州エリアは都会、それ以外はおおむね田園という沿線風景になります。自然風土あふれる土地もあって日本三大車窓の一つである肥薩線、大村湾の海べりをはしる大村線などのいわゆる絶景路線も多くあります。

沿線人口の減少もあいまってJR九州では発足当時から無人駅化をすすめており、無人駅は2022年4月以降は全体の6割弱を占めるようになります。

 

車両

JR九州は新幹線はもちろんのこと、電化、非電化の車両双方が運行しています。かわったところでは蓄電池をそなえた交流電化車両(愛称:DENCHA)などがあります。

JR九州の電車としては783系・787系のかもめやみどり、883系のソニックが知られたところです。883系電車は振り子式車両であり機構だけでなく、メタリック調や原色の車両デザインと見た目にも斬新な車両もあり、デビュー当時は大きな話題となりました。

JR九州の車両は特急だけでなく、デザインコンシャスな車両がJR各社にくらべて多いのも特徴です。工業デザイナーの水戸岡鋭治氏の車両デザインによるものが多いことがその理由の一つといえます。

JR九州の誇るクルーズトレインななつ星in九州も氏によるものです。先進的な?ユニークな?車両が多くあるのは、JR九州の推進するD&S列車というコンセプトもその理由といえます。ちなみにDはデザイン、Sはストーリーであり「デザインと物語のある列車」という意味です。

たとえば車両はキハ185系を改造した臨時特急列車「A列車で行こう」は、車両内にソファーやベンチを置き、カウンター形式のバーを設えるなど、従来にはない楽しめる列車となっています。

県庁所在地の都市型のマチに乗り入れる車両である817系電車は輸送優先ばかりでなく、乗客に配慮したコミュタートレインもあり、なにかとバラエティな車両の多いJR九州です。

そういった華やかな車両もある一方、九州のローカル線にはアイボリー地にブルーの帯のキハの車両が乗客2名を乗せて延々はしる路線もあり、車両、路線、収益などさまざまな面をみせる鉄道といえます。

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