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ひたちなか海浜鉄道

ひたちなか海浜鉄道は茨城県を走る第三セクターの鉄道です。湊線という14㎞あまりの路線を運行する典型的なローカル線となっています。

そんなひたちなか海浜鉄道ですが、東日本大震災では大きな被害を受けました。また、地方のローカル線として珍しく、路線の延伸が予定されています。そんなひたちなか海浜鉄道の歴史と特色を、車両を中心にお伝えしていきましょう。

ひたちなか海浜鉄道の歴史

ひたちなか海浜鉄道は2008年に開業したまだ新しい鉄道です。元々は茨城交通の鉄道部門だったものが独立したかたちとなっています。

路線は湊線のみですが、湊線自体は1913年の開業。大正時代のはじめと比較的早い時期の開業です。湊線は一方の終着駅である勝田駅でJR常磐線と接続しており、かつては直通運転もありました。

当時湊線を走っていた、ケハ600形などは当時の国鉄常磐線に乗り入れ、水戸駅まで走っていたのです。反対に国鉄やJRの急行が湊線に乗り入れることもありました。地方のローカル線ではよくある、他路線からの譲り受け車両も多くあります。

近隣の鹿島臨海鉄道の所属だったキハ201形や北海道の羽幌炭礦鉄道のキハ221形や222形もひたちなか海浜鉄道を走ったことのある車両たちです。そんなひたちなか海浜鉄道も2011年の東日本大震災では大きな被害を受けました。

2008年の開業から間もないこともあり、その復旧費用は重くのしかかりました。このときは4カ月程度で全線が復旧を果たしました。

ひたちなか海浜鉄道の特色

ひたちなか海浜鉄道は譲り受け車両だけでなく、新造車両も保有しています。1995年導入のキハ3710形と2002年導入のキハ37100形です。

その型番3710も湊線の「みなと」に由来しています。ひたちなか海浜鉄道では、現役車両で他社の譲り受け車両もありますが、日常の運行には旧三木鉄道のミキ300形以外は使用していません。

ひたちなか海浜鉄道のように自前の車両を有しているのは地方路線としてはあまり多くないのです。

ひたちなか海浜鉄道のもうひとつの特色は延伸予定があることです。現在の終点阿字ヶ浦駅から3㎞ほど、2駅を設置予定。延伸先にはひたちなか海浜公園という公園があります。

この公園は春のネモフィラの見ごろには多くの人が訪れる、関東地方では有名な公園です。この公園へのアクセス向上や交通ターミナル機能が付与される予定となっています。

現在地方路線は赤字続きの路線が多く、地元市町村からの補助金がなければ存続できない路線も多いもの。ひたちなか海浜鉄道もその例にもれず、開業当初は存続の危機もありました。

数年前には黒字を出したこともあるものの、油断のできない状態です。そんな中での延伸計画はわずかな距離とはいえ、地方路線ではめずらしいプロジェクトといえます。

まとめ

開業当初は存続も危ぶまれ、東日本大震災でもダメージを受けたひたちなか海浜鉄道。そんな前途多難な状態でも、ラッピング列車の運行、行楽シーズンの乗客誘致などを積極的に行った結果、黒字を出す年もありました。

そして今回の延伸計画。赤字にあえぐ地方路線が多い中でひたちなか海浜鉄道の事業は他の鉄道会社の参考になるものといえるでしょう。ひたちなか海浜鉄道の今後の活躍にも期待しましょう。

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