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叡山電鉄

叡山電鉄は京都市内と郊外の鞍馬や比叡山口を結ぶ鉄道会社です。


周辺住民の通勤通学の足ともなっていますが、沿線以外の人にとっては鞍馬や貴船、比叡山への観光のために利用することが多いことでしょう。


この叡山電鉄、現在は京阪グループですが、かなりの紆余曲折を経ているのです。


そんな叡山電鉄の歴史と特色を、車両を中心にみていくことにします。

叡山電鉄の歴史

叡山電鉄の営業開始は1986年。


昭和の終わり頃と比較的新しい鉄道会社です。


叡山本線と鞍馬線からなりますが、これらの路線自体は1925年頃からの歴史のある路線となっています。


多くの地方路線がそうであるように、叡山本線もモータリゼーションの波に押されて戦後は赤字路線でした。


1960年代には京福電鉄傘下となっていましたが、その赤字は京福電鉄、ひいてはその母体である京阪グループも脅かしていました。


その頃、叡山線や鞍馬線を走っていたのはデナ21形です。


1929年に登場したデナ21形が最後に引退したのは1994年のこと。


実に60年以上にわたって走り続けていました。


1951年に登場したデオ200形も1988年まで現役でした。


これらの車両は何度も改修を経ているものの、その市電のようなテイストは最終形まで保たれました。


今でもデナ21形の前頭部が鞍馬駅に飾られているくらいなので、叡山線イコールデナ21形、という人も多いのでしょう。

叡山電鉄の特色

一時は典型的な赤字路線であった叡山線ですが、各方面の努力や叡山電鉄への組織替えなどで危機を脱しました。


現在では、700系、800系、900系といった3種の車両を基本に多くのバリエーションを持つ会社になったのです。

これらの中でかつての主力は700系です。


多くの派生型を持っています。


中でも出色なのは観光列車「ひえい」です。


700系のうち1両が改造されました。


前頭部の大きな楕円形は見る人を圧倒します。


ローレル賞などを受賞するのも納得です。


800系は現在10両と最も多い車両となっています。


700系の後継車両として1990年から順次導入されました。


800系はとにかくカラフルです。


ラッピング列車や京都の四季をイメージしたカラーに塗装されています。


最後は900系です。


「きらら」の愛称がつけられた900系は、計4両あります。


横長のロングシートではなく、個別の座席となっているのも特徴です。


900系は京都の地下鉄が延伸したことによる叡山電鉄の乗客減に歯止めをかけるための観光列車として開発されました。


もみじを観る、さくらを観る、といった四季折々の京都の風景を観光する列車なのです。

まとめ

叡山電鉄となる以前は赤字にあえいでいたものの、京都の観光資源を活用して叡山電鉄は復活しました。


日本人だけでなく、海外からの観光客もターゲットとしています。


叡山電鉄の沿線は京都でも郊外に位置しますが、それでも貴船、鞍馬と観光資源は多いものです。


それだけ京都は魅力のあるまちといえます。


現在は新型コロナウイルス感染症の影響で下火となっていますが、観光が復活したときには叡山電鉄にも活気と歓声が戻ることでしょう。

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