大好きを仕事にする鉄道本舗の石川です!

モデモ

歴史

モデモ(MODEMO)は、1941年に創業したプラモデルメーカー「ハセガワ」が手がけている鉄道模型ブランドです。

モデモは限定生産を基本としており、原則は再販なし、在庫限りの模型販売を行なっています。

そのモデモを製作しているハセガワは、実在の飛行機や船、自動車といった乗り物全般だけでなく、ウルトラマンやマクロスといったキャラクター製品も多数を立体化、製品化している老舗メーカーです。

モデモ(ハセガワ)の前身は木製模型メーカー「長谷川製作所」で、静岡県焼津市に本社を置いています。

本格的に木製模型の製造をスタートさせたのは、創業から4年後となる1945年からでした。

その後、1961年にプラモデルの業界に参入して、3種類の「グライダー」を発売し、翌年1962年に「戦艦大和」をリリースしました。「戦艦大和」は、多額の開発費用をかけたことでリアルな造形を可能にし、およそ15万個という驚異の売上を達成しています。

「戦艦大和」の成功から数年後の1965年から短期間は、スロットカーと呼ばれる溝のついたコースを走らせる車模型を製造していましたが、ブーム終焉の少し前に飛行機製造に着手、「F4ファントム2」というモデルを大ヒットさせました。

この成功を元に、イギリスや米国などと提携して「飛行機のハセガワ」として知名度を高めていきます。

鉄道模型に参入したきっかけは、1990年代初頭に一台ムーブメントとなったTVゲームでした。ハドソンの依頼で製作した「桃太郎電鉄」の広告塗装を施した土佐電鉄600形が、ゲームと同様大人気となったのです。

これに伴い、16番ゲージの鉄道模型へと参入し、同じ模型メーカーであるエンドウなどから技術提供を受けて鉄道模型を製作していきました。

1997年にはNゲージも手がけるようになり、鉄道模型ブランドとしてハセガワの中にモデモを設立しました。

特徴

鉄道模型メーカーとしてのモデモ(ハセガワ)の設立は、1990年代ですが、モデモの模型の造形は、飛行機のハセガワと称されたプラモデル開発・製造のノウハウ抜きに語ることはできないでしょう。

長谷川製作所から連綿と続いてきた模型作りの技術とスピリットが、90年代に鉄道模型へと受け渡され、現代に続いているのです。

モデモ(ハセガワ)の模型製造には、「取材・考証」、「設計」、「金型加工」の各項目にこだわりがあります。

実在の鉄道については、実物の形状だけでなく、ネジの位置や歴史的な変遷なども徹底的に調査をして、正しい形状を目指して考証を重ねています。

また、設計時には、実際の図面や資料を元に忠実な再現を行なうだけにとどまらず、スケールダウンした時に不自然なフォルムにならないよう、デフォルメを加えています。各部分に適切なデフォルメを加えることで、乗り物のもつ重厚感や存在感が、模型にも伝えられるのでしょう。

金型加工によって立体化する際は、シャープなラインとカッチリした佇まいを特徴としています。モデモ(ハセガワ)の独自加工で「線」の表現にこだわることで、無機物特有のカッチリした出で立ちが再現されています。

モデモ(ハセガワ)からリリースされている模型はNゲージとHOゲージで、箱根登山鉄道や江ノ島電鉄、阪神電鉄、京福電鉄、東京都電などが製品化されています。

また、イベント限定の販売ではありますが、無塗装のコンテナなども手がけています。

いずれの車両も、プラモデル時代から培われた設計と金型加工によって、リアリスティックでありながらモデモ独特の味わいを醸し出しています。

ファンを惹きつける理由

モデモの模型製作は、「取材・考証」、「設計」、「金型加工」という3つの工程すべてにこだわりが見られ、その姿勢が多くのファンを獲得しています。

鉄道模型に限らず、すべての乗り物に共通するシャープなラインを実車と同じように再現する、その技術力の高さが魅力となっています。

モデモは1990年代に鉄道模型に参入した、いうなれば新興メーカーのひとつです。しかし、戦後から手広くプラモデルの開発・販売に取り組み、イギリスや米国でも一目置かれる存在として知られてきました。

さらに、16番ゲージの鉄道模型を手がける東京の鉄道模型メーカー、株式会社エンドウの技術提供を受けていたため、そのクオリティは折り紙つきといってよいでしょう。ちなみに、モデモもエンドウの模型のボディ製造を受け持つなど持ちつ持たれつの関係を築いています。

比較的参入時期の遅いメーカーでありながら、老舗を風格を漂わせ、考証に基づいたデフォルメで自社ならではのフォルムを追求する、そんな姿勢がファンを惹きつけています。

また、模型の製造販売だけでなく、専用工具の企画や販売、海外のプラモデル輸入販売なども行なうカバー力に、信頼や安心を感じる愛好家も多いでしょう。なお、モデモの基本姿勢である、限定生産の在庫限りという販売スタイルも、コレクター欲をかきたてる一因になっているのではないでしょうか。

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