えちぜん鉄道の歴史と特徴

えちぜん鉄道の歴史

えちぜん鉄道は、京福電気鉄道の越前本線(現在の勝山永平寺線)と三国芦原線の経営を引き継ぐために2002年に設立された、第三セクター方式の鉄道会社です。

現在運行している路線は、福井駅と勝山駅を結ぶ勝山永平寺線および、福井口駅と三国港駅を結ぶ三国芦原線です。

京福電気鉄道の時代には、越前本線の東古市駅(現在の永平寺口)と永平寺駅を結ぶ永平寺線も運転していましたが、利用客の増加が見込めないことからえちぜん鉄道には移管されずに廃線となりました。

2016年には同じく福井市内に路線を持つ福井鉄道と直通運転を始め、現在は三国芦原線の鷲塚針原駅と福井鉄道越前武生駅の間で、両社の車両が乗り入れています。

現在運用している車両はMC5001形、MC6001形、MC6101形、MC7000形、L形です。

MC5001形は会社設立時に京福電気鉄道から譲渡された車両で、1両のみ在籍します。

MC6001形とMC6101形は、無償で譲り受けた愛知環状鉄道100系を改造した車両で、2003年から順次導入されました。

譲渡にあたっては運転台の移設、架線電圧直流600V対応、補助電源装置の変更などの改造が行われています。

MC6001形とMC6101形の違いは、エアコンユニットと交流電源装置が異なるのみで外観の区別はつきません。

MC7000形は、JR東海の飯田線119系を2013年に譲り受けた車両です。

1983年製造の古い車両ですが、電動機の制御方式を抵抗制御からVVVFインバータに変更しています。

L形は「ki-bo(キーボ)」の愛称を持つ超低床電車で、路面電車を運行する福井鉄道との直通運転の開始に合わせて導入されました。

L形はえちぜん鉄道設立後で初めての新造車で、直通運転を行う福井鉄道の超低床電車F1000形に仕様を合わせることで、車両の調達コストの低減だけでなく保守や運行の

しやすさを狙っています。

えちぜん鉄道の特徴の一つは、三国芦原線の田原町駅経由で福井鉄道の福武線と相互直通運転を行う「フェニックス田原町ライン」です。

直通運転を行っている三国芦原線の田原町と鷲塚針原駅の区間は、通常の列車も運行しているので、一般車両と路面電車が共存する非常に珍しい区間です。

ところで、一般車両と路面電車では地上から床面までの床高さが違うので、駅のホームの高さを変える必要があります。

そこで、この区間では線路の両側に高さの違うホームを設けるなど、一般車両用のホームと路面電車用の低床ホームを分けることで、床高さの違う車両をさばいています。

日中のフェニックス田原町ラインはすべて急行で運転しており、えちぜん鉄道内では中角駅のみ通過するので、中角駅では路面電車が目の前を通過する光景に出会えます。

MC6001形とMC6101形は1両で、MC7000形は2両編成での運用を基本としており、2両編成で運転するときは正面の窓に「2両」と表示しています。

MC5001形も在籍していますが、1両のみなのでめったに見られません。

MC7000形はJR東海の119系車両を改造していますが、前述の制御方式の変更以外にも、トイレの取り外しや運転台の位置を下げるなどの改造を行っています。

また、えちぜん鉄道では各種企画乗車券を販売しています。

「一日フリーきっぷ」は、土日祝日と年末年始にえちぜん鉄道が乗り放題の切符です。

さらに、直通運転している福井鉄道も含めて乗り放題の「福井鉄道・えちぜん鉄道共通１日フリーきっぷ」も販売されているので、福井鉄道も利用したいのであればこちらを購入しましょう。

その他にも、恐竜博物館の入館料と一日フリーきっぷがセットの「恐竜博物館へ行こう！」や、芦原温泉の旅館のキャッシュバックと2日間乗り放題の切符がセットになった「あわら温泉宿泊フリーきっぷ」などお得なプランが用意されています。

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